WILD MY THINGS
私のワイルドなシングス。
Vol.13
Japanese-Style Ink Paint Artist
CHiNPAN
WILD MY THINGS Vol.13
伝統と革新のクリエイションで
水墨画の可能性を追求
水墨画の可能性を追求
時代のキーマンとワイルドシングスがクロスオーバーする連載企画「WILD MY THINGS」。
Vol.13は水墨画の可能性を拡張し続け、伝統に囚われない感性で、さまざまな方面から注目を集める水墨画アーティスト、CHiNPANさんをフィーチャー。
Vol.13は水墨画の可能性を拡張し続け、伝統に囚われない感性で、さまざまな方面から注目を集める水墨画アーティスト、CHiNPANさんをフィーチャー。
クリスマスツリーの水墨画を
描かせてもらえたことがきっかけだった
描かせてもらえたことがきっかけだった
――CHiNPANさんは他にはない独特の作風と世界観で、幅広い分野で活躍されています。現在の作風にはどのようにして至ったのですか?
CHiNPAN:あれは中学生のときだったかな。水墨画の先生に、墨絵でクリスマスツリーを描いてみたいと相談してみたんです。先生はわりとオーセンティックや古典的なことだけでなく、何でも好きなことにどんどん挑戦させてくれる方で。これまであまり自分の作風について考えたことはなかったけど、いま考えてみたら、あのクリスマスツリーがきっかけですね。
CHiNPAN:あれは中学生のときだったかな。水墨画の先生に、墨絵でクリスマスツリーを描いてみたいと相談してみたんです。先生はわりとオーセンティックや古典的なことだけでなく、何でも好きなことにどんどん挑戦させてくれる方で。これまであまり自分の作風について考えたことはなかったけど、いま考えてみたら、あのクリスマスツリーがきっかけですね。
――たしかに現在の作風にも感じられる「洋」のモチーフですよね。
CHiNPAN:あとは昔から、古典的なモチーフだけで描くのが、しっくりこなくて。そこで「和漢洋」を題材に「融合」というテーマをもって描くようになりました。
CHiNPAN:あとは昔から、古典的なモチーフだけで描くのが、しっくりこなくて。そこで「和漢洋」を題材に「融合」というテーマをもって描くようになりました。
――水墨画にも基礎があったり、それを応用して描いたりするのですか?
CHiNPAN:そうですね。例えば水墨画は楽器や音楽と同じようなイメージ。音楽はコードがあって、コードを構築して曲ができますよね? 水墨画も基本的な技法、絵があり、まずはこれを徹底的に繰り返し練習して習得します。この技法が派生して、さまざまな作品を描きます。
CHiNPAN:そうですね。例えば水墨画は楽器や音楽と同じようなイメージ。音楽はコードがあって、コードを構築して曲ができますよね? 水墨画も基本的な技法、絵があり、まずはこれを徹底的に繰り返し練習して習得します。この技法が派生して、さまざまな作品を描きます。
――側頭部にペインティングをした作品、「人体と水墨画の融合」はすごくインパクトがありました。どういう発想で生まれたのですか?
CHiNPAN:あれは2011年、東日本大震災の被災地でのペイントのライブイベントに向かっている車中で、カメラマンの伊藤元気さんとの話で盛り上がったのがきっかけですね。直接体にペイントしたものを伊藤さんに撮影してもらい、その写真を、テクスチャーを追求して辿り着いた阿波和紙に印刷しました。写真なんだけど、絵のように見える感じが好きで。
CHiNPAN:あれは2011年、東日本大震災の被災地でのペイントのライブイベントに向かっている車中で、カメラマンの伊藤元気さんとの話で盛り上がったのがきっかけですね。直接体にペイントしたものを伊藤さんに撮影してもらい、その写真を、テクスチャーを追求して辿り着いた阿波和紙に印刷しました。写真なんだけど、絵のように見える感じが好きで。
――たしかに写真のようにも見えるし、絵のようにも見えて、不思議な感覚が湧いてきます。CHiNPANさんはテーマを設けて作品を手掛けているのですか?
CHiNPAN:2019年までは「融合」がテーマでした。例えば2018年に発表した「平成成仏」は、自分の過去の作品や平成の新聞や号外などをコラージュして、その上から墨で蝶の羽に模様を描いたもの。平成の終わりに、いろんなものを作品として成仏させています。なかには昔付き合っていた人の写真なんかも使っているんですよ(笑)。
CHiNPAN:2019年までは「融合」がテーマでした。例えば2018年に発表した「平成成仏」は、自分の過去の作品や平成の新聞や号外などをコラージュして、その上から墨で蝶の羽に模様を描いたもの。平成の終わりに、いろんなものを作品として成仏させています。なかには昔付き合っていた人の写真なんかも使っているんですよ(笑)。
――それからテーマは変わったのですか?
CHiNPAN:「再生と破壊」ですね。2019年に愛犬が高齢で亡くなり、その半年前に娘を出産しました。わずか半年の間で、生と死に向き合ったことはとても大変な経験だった。もやもやと受け入れられないものもあったりして、作品に落とし込むようになりました。最近は獏を描くことにハマっていて。獏は悪夢を食べて、良夢に変えてくれるという架空の動物。獏の絵を枕元に置いて、邪気を払う風習もあったりします。「再生と破壊」にもリンクしていて、コロナ禍という時代性もありますね。作風も意図せぬ水墨画というか、自分で調合した液体を使って、自然にインクや墨が動きながら紙に乾いていく表現を取り入れたり。自分がコントロールできない手法を、作品として表現するようになりました。
CHiNPAN:「再生と破壊」ですね。2019年に愛犬が高齢で亡くなり、その半年前に娘を出産しました。わずか半年の間で、生と死に向き合ったことはとても大変な経験だった。もやもやと受け入れられないものもあったりして、作品に落とし込むようになりました。最近は獏を描くことにハマっていて。獏は悪夢を食べて、良夢に変えてくれるという架空の動物。獏の絵を枕元に置いて、邪気を払う風習もあったりします。「再生と破壊」にもリンクしていて、コロナ禍という時代性もありますね。作風も意図せぬ水墨画というか、自分で調合した液体を使って、自然にインクや墨が動きながら紙に乾いていく表現を取り入れたり。自分がコントロールできない手法を、作品として表現するようになりました。
――では今後、挑戦してみたいことはありますか?
CHiNPAN:海外で個展を開いてみたい。海外の方がどういった反応をするのか見てみたいですね。
CHiNPAN:海外で個展を開いてみたい。海外の方がどういった反応をするのか見てみたいですね。
「シンプルな服、
機能的なアウトドア服が好きです」
機能的なアウトドア服が好きです」
――CHiNPANさんはファッションシーンとのコラボレーションでも注目を浴びていますが、ご自身はどんな服やファッションが好きなんですか?
CHiNPAN:最近はめっきりシンプルな服が多くなりましたね。若い頃はガチャガチャとレイヤードしてたけど、最近はもう、一枚着ればいい服、絵になる服ばっかりですね。あとはアウトドアブランドの服が好きでよく着ます。
CHiNPAN:最近はめっきりシンプルな服が多くなりましたね。若い頃はガチャガチャとレイヤードしてたけど、最近はもう、一枚着ればいい服、絵になる服ばっかりですね。あとはアウトドアブランドの服が好きでよく着ます。
――そうなんですか!
CHiNPAN:ワイルドシングスも持ってますよ。私は全然アウトドア派ではないんだけど、機能的な服が街でも便利で好きなんです。
CHiNPAN:ワイルドシングスも持ってますよ。私は全然アウトドア派ではないんだけど、機能的な服が街でも便利で好きなんです。
――ワイルドシングスはウィメンズコレクションも一段と充実してきていますよ。
CHiNPAN:それは嬉しいですね。なかでもモンスターパーカが気になりますね。
CHiNPAN:それは嬉しいですね。なかでもモンスターパーカが気になりますね。
「軽くて温かいことにビックリ。
アイスグレーの色もいい」
アイスグレーの色もいい」
――着てみていかがですか?
CHiNPAN:めちゃくちゃ軽くて温かい! 実際に着てみてビックリしました。ポケットが大きくて、内側のメッシュポケットも便利ですね。ちょっとした外出なら鞄を持つ必要がないかも。アイスグレーの色もいいですよね。今度、アメリカのポートランドに旅行に行くのですが、すごく役立ちそう。ぜひモンスターパーカを着て行こうと思います。
CHiNPAN:めちゃくちゃ軽くて温かい! 実際に着てみてビックリしました。ポケットが大きくて、内側のメッシュポケットも便利ですね。ちょっとした外出なら鞄を持つ必要がないかも。アイスグレーの色もいいですよね。今度、アメリカのポートランドに旅行に行くのですが、すごく役立ちそう。ぜひモンスターパーカを着て行こうと思います。
W'S MONSTER PARKA22
PROFILE
CHiNPAN
水墨画アーティスト
水墨画アーティスト。小学生の頃に美術教師の勧めで水墨画を描き始め、1996年より本格的に琳派水墨画を修習する。2008年に国立新美術館で開催されたコンテストに入選したことをきっかけに、水墨画家としてのキャリアをスタート。「再生と破壊」を創作テーマに掲げ、古典的な手法からオリジナルの手法まで、さまざまな方法で水墨画を潤筆。立体物製作や空間装飾、ボディペイントなども手がけ、水墨画の可能性を拡張し続けている。