vol.1 - 前編 -
更科 有哉
Yuya Sarashina
アシュタンガヨガ指導者
- ――ヨガを始めたきっかけは?
- Yuya: 25歳のときに、友人から基本的なヨガのポーズ、シークエンスを教わったのがきっかけです。それからちょっとずつ、独学で始めていって夢中になった。2000年代前半の頃だけど、日本では今ほど浸透はしていませんでしたね。とくに男性には(笑)。歌手のマドンナがヨガをしていたことで、アメリカで流行し、それが日本に来ていた時代ですね。
- ――夢中になったのはどうして?
- Yuya: 単純に気持ちよかったんです。体にもメンタルにも。平らなところにマットを敷けば、すぐできるし面倒くさくなくていい。もともとサッカーやスキー、スノボなどもやっていましたが、そういうスポーツとは違う心地よさがありました。
- ――どういう心地よさなんですか?
- Yuya: 他のスポーツより動きは遅いんだけど、ヨガは呼吸と動きがリンクしてきます。自分の呼吸の速さで全体のスピード感が変わる。そういうリズムで体を動かしていくのが気持ちよかった。自分の体のことがわかるし、自分と向き合えるようになるんですよね。他の人と競わなくていいし。ヨガを始めてから自然と会う人、関わる人も、優しくて思いやりがある人が増えていったと思いました。始めて3年後には、道場に通うようになり、そこで出会った師匠(インストラクター)の存在も大きかったですね。波長が合うというか……。
- ――どういう方だったんですか?
- Yuya: イタリア人なんですが、以前は世界中を放浪しているヒッピーで、インドのゴアでヨガに出会ったそう。それから日本に行き着いて、ヨガのインストラクターになったそうです。僕も旅が好きだし、接していておもしろかった。教え方も「へー、できないんだ?」みたいに、煽ってくることが多くて、それに負けじとがんばってましたね。振り返ってみると、師匠(インストラクター)と波長が合うことは、ヨガを学ぶうえでとても大事なことだと思います。
- ――更科さんの流派、アシュタンガヨガの特徴は?
- Yuya: もっとも積極的、リラックスするタイプとは違って、運動量の多いヨガですね。一つずつポーズや課題をクリアしないと、次の段階に進めない。システマティックなのも特徴で、これも夢中になった理由かな。また何でも一番を見てみたいというタイプで、ヨガを始めて比較的年数は浅かったけど、2007年から南インド・マイソールにあるアシュタンガヨガの総本山、KPJAYIに修行に行くようになりました。
ヨガを始めてから自然と会う人、関わる人も、
優しくて思いやりがある人が増えていった。
優しくて思いやりがある人が増えていった。
- ――総本山で修行するには、どうしたらできるの?
- Yuya: 僕が師匠(インストラクター)から教えてもらったのは、手紙を出すこと。
- ――すると返事が返ってくると。
- Yuya: いや僕の場合は返ってこなかった。だからもうこっちから、勝手に行っちゃったんです(笑)。手紙を出した者です、って。そしたら修行させてもらえた。
- ――わりとアバウト……。
- Yuya: そうでしたね。ただヨガに関しては厳格。大きく分けて6段階のレベルがあるんですが、ディレクターであるシャラート・ジョイス師に認められないと、次のレベルに進めないという制度があります。認定されると、道場正式の指導者資格である「KPJAYI Authorization」が与えられます。
- ――更科さんは世界的にも数少ないLevel2に到達。その上のレベルはやはり大変なんですか?
- Yuya: そうですね。世界的にも数人しかいない、というレベル。4以上をできる人はジョイス師しかいません。信じられないくらい、難しい領域という印象ですね。
- ――インドでの修行以外の過ごし方は?
- Yuya: 本を読んだり、プールに入ったり、すごくリラックスして過ごしています。特別なことはあまりしていないかな。行きたいところが見つかったら、バイクで出掛ける程度。あとカレーが大好きなので、毎日カレー三昧。ほとんど、インド人と同じような生活になっています。
- ――帰国後からヨガを生業とするわけですが、迷いはなかった?
- Yuya: それまで僕は俳優の仕事をしながら、夜はバーでバイトをしてという生活を送っていました。ただヨガをやればやるほどおもしろいし、自分がフィットしていくのがわかる。一方で今の生活が、自分には向いてないと、どんどん感じるようになっていた。それから一度俳優の仕事に区切りを付けて、ヨーロッパを旅して思ったんです。ヨガを深めながら、旅をしながらヨガを伝えていくことができたらって。それから迷いは、まったくなかったですね。
毎年インドで修行を行い、帰国後は国内外でインストラクターとして活躍する更科さん。
次回Vol.2では、旅のようなライフスタイルを送る、新しいヨガインストラクターとしての活躍について聞いていきます。
次回Vol.2では、旅のようなライフスタイルを送る、新しいヨガインストラクターとしての活躍について聞いていきます。
Profile
更科 有哉/Yuya Sarashina
1977年北海道に生まれ。20歳で俳優を目指して上京。
その後独学でヨガを学び始めた後、2007年から定期的にインド南部•マイソールにあるアシュタンガヨガ創始者の道場に通い、
2010年正式指導者資格であるAuthorizationを2011年Authorization Level2を与えられる。
その高い技術と集中力から生み出されるAsana(ポーズ)は正に肉体のArtと呼ぶに相応しく、世界最高峰の巨匠 マリオ・テスティノ氏の撮影に同行。
ファッション誌 VOGUEに掲載され、2015年には同氏の写真集『 Sir 』にも掲載される。2009年からは毎年車での日本横断Yogaの旅《 INTO THE MIND TOUR 》でその魅力を発信し続けているアシュタンガヨガの日本の第一人者。2014年 Best of Yogi受賞。
by YogaJournal Japan
その後独学でヨガを学び始めた後、2007年から定期的にインド南部•マイソールにあるアシュタンガヨガ創始者の道場に通い、
2010年正式指導者資格であるAuthorizationを2011年Authorization Level2を与えられる。
その高い技術と集中力から生み出されるAsana(ポーズ)は正に肉体のArtと呼ぶに相応しく、世界最高峰の巨匠 マリオ・テスティノ氏の撮影に同行。
ファッション誌 VOGUEに掲載され、2015年には同氏の写真集『 Sir 』にも掲載される。2009年からは毎年車での日本横断Yogaの旅《 INTO THE MIND TOUR 》でその魅力を発信し続けているアシュタンガヨガの日本の第一人者。2014年 Best of Yogi受賞。
by YogaJournal Japan