Mar.7.2020
のちに夫婦となるジョン・ポーチャード、マリー・ムニエが1981年に設立したワイルドシングス。
アメリカ・マサチューセッツ州の登山家だった彼らは、冒険から得た経験から「LIGHT IS RIGHT」(軽く、タフでなければならない)をテーマに、数々の名作ギアを生み出していく。
今回は2020SSシーズンの新作から、スタイリストの鈴木 肇さんが注目作をピックアップ。
選んだのはビューティ&ユース別注のデナリジャケットとコンバーチブルパンツだ。
ビューティ&ユースがベースに選んだのは、ワイルドシングスの最高峰にあたるデナリジャケットのライトバージョン、「デナリ ライト」。
デナリのデザインベースを踏襲しつつ、裏地のない1枚仕立てで、その名通り春や秋など幅広いシーズン、環境で着られるライトスペックなアウターだ。
そしてビューティ&ユースはシェルの素材を「DICROS」(ディクロス)にアレンジ。
鈴木さんは、まずこの部分に注目している。
「ディクロスはテキスタイルのトップメーカー、第一織物が開発した超高密度素材。生地加工なしでも撥水性があります。
またハリとコシがありながら、しなやかなのも特徴ですね」。
ディクロスにはさまざまな生地の種類があるが、ビューティ&ユースではポリエステルのリップストップクロスを指名。
「このチョイスもうまい。リップストップなのでワイルドシングスのフィールドである、アウトドアの硬派な雰囲気があります。
また化繊でいながら、コットンのようなナチュラルな風合いがあって、タウンユースにも映えるんですよね」。
さらに定番の胸のボックスロゴは、シェルと同色の刺繍にアレンジ。ロゴが目立ちにくくなるが、鈴木さんはここも見所だと話す。
「デナリはワイルドシングスの代表作であり、アウトドアギアの名作です。完成されたデザインですから、ロゴやタグといった装飾に頼らなくてもいい。
そんな機能美を静かにクローズアップする、巧みなアレンジだと思います。
よりアーバンな雰囲気にもなるしね。次のフェーズに進んだデナリ、という印象がありますね」。
同じくディクロスを使ったコンバーチブルパンツは、もともとインラインにはないアイテム。ビューティ&ユース完全別注の2wayパンツだ。
膝にファスナーが付属し、膝下をはずすとショーツに早変わり。夏にも重宝し、年間を通じて活躍するアイデアが効いている。
またウェビングベルト、ガゼットクロッチとクライミングパンツのディテールを採用。パンツ、ショーツともに使い勝手がいい。
そしてコーディネートとしても注目すべき点がある。
「ジャケットと同じ素材なので、近年人気のカジュアルセットアップのように着るのが楽しい。とくに旬のアーシーなベージュはオススメですね。
例えばオルタネイトストライプのシャツ、白のタートルネックなど、セットアップに合わせるようなインナーを、そのまま着るだけで絵になる。
足元も同色のブーツを合わせると、ストリートマインドな、まとまりが生まれます。
ビューティ&ユースの別注はワイルドシングスならではのアウトドアスペックを、うまく都市生活に落とし込んでいるように感じます。
ナチュラルで日常生活に便利なシェル、シンプルなロゴデザインもリンクしているし、
アウトドアのセットアップという新しい着こなしも提案している。全体としてのディレクションが見事だと思います」
展開店舗:
ビューティ&ユース全店、ユナイテッドアローズの一部店舗(B&Y 取り扱い店)
問い合わせ先:
ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 渋谷公園通り店
TEL:03-5428-1893(MEN'S)